旧車の魅力とは?維持の苦労と合わせての総合的な結論
旧車の魅力とは?維持の苦労と合わせての総合的な結論。どの辺りから旧車と呼ぶのか調べてみると、いろいろな説があります。一つの目安、日本クラッシックカー協会では、入会資格を37年以上前の車としています。例として、2016年のニューイヤーミーティングの参加資格が、1979年までに製造された車というように。しかしあくまでもこれは一つの目安であって、旧車というジャンルがかなりメジャーとなってきた今、それほど区切りや定義にこだわる必要はありません。あなたが「この車古くていいな」「かっこいい車が昔はあったんだな」と思ったなら、それが旧車ということでいいのです。
旧車、旧バイクに人気が集まる理由
今の日本の車は素晴らしいとは思いますが、コストカットに走りすぎるあまり、車に個性がなくなっています。部品の流用が多く、デザインも似たりよったり、価格が安くて乗り心地も良くてそれはそれでいいのですが、なんだか違うんだよな~と思う人が目を覚ましたのです。今、殆ど姿を見ることがなくなった少し前の時代の車からは、今の車からは考えられないようなオーラを感じるのです。旧車の最大の魅力は、「人の心を動かす車であること」これに尽きます。
私の例
私は1978年のランクル40、ランクルヨンマルを1988年に購入し、今現在も乗っています。錆びたり穴が開いたりとあっちこっち信じられないような状態ですが、一人で約4キロ離れた会社へ通勤する分には、何とかダイジョウブです。いつもは会社と自宅の往復ですが、先日マイナンバーカードを取得するために久しぶりに区役所に行きました。いつもは走らない国道を、いつもは走らない時間に走ると、何度もじろじろと見てくれる人に出会いました。これは、通勤で走っている時も同じで、熱い視線を感じることが何度もあります。毎年陸運局にユーザー車検に行きますが、ある時にはかなり若い制服姿の女性が近づいてきて、話しかけて来ました。さびさびのポンコツですが、素晴らしいと最大級のお褒めの言葉をいただき、ついでに車検証の写真を撮影して行きました。(ダイジョウブカナ?) このように、旧車はその存在自体に価値があります。今の車は画一的で、確かに性能が上がっていますが、個性がありません。何度も何度も維持で苦しみ、本当に何度も売ろうと思ったことがありましたが、ここまで耐えてきて本当に良かったと思っています。
価値が下がらない
今はランクルといえば、かなり豪華な乗り心地のいいタイプが販売されています。新車がいくらで買えるのか、最上級のクラスをいろいろなオプションを付けて見積もりしてみると、あらまびっくり、850万円にもなります。価格面では到底太刀打ちできませんが、この850万円のランクルの価値は、25年後にはどうなっているでしょうか?今現在、私の車とは価格面での差が相当ありますし、比べるまでもないと思いますが、日本で現在販売されている新車は、メーカーの方針で数年後に必ずモデルチェンジが行われます。一瞬にして、新車ではなくなってしまい、価値がどんどん下がって行きます。たとえ今は850万円の価値があったとしても、25年も経過すれば、私のポンコツと同程度か、もしかすればそれ以下になってしまうのです。これが旧車の最大の特徴です。旧車は価格が下がらないばかりか、長く大事に乗り続けていれば、価値がどんどん上がって行きます。
維持費用はどうなの?
これが皆さん知りたい最大のポイントだと思います。無理して旧車を買い、思い入れが強くなると、何もできなくなってしまうかもしれません。維持費用は、正直言って大変です。高いです。任意保険は高くなりますし、自動車税も高くなりますし、場合によっては屋根付きの車庫を借りたりする場合もあるでしょうし、壊れると、簡単には治らない場合も多くあります。古い車ですから、必ず壊れますので、その都度修理をするようになります。部品があればいいのですが、殆どはないと思っていいでしょう。さあ、こんな状態であなたは旧車を維持することができるでしょうか?クラッチが切れなくなったり、ウォーターポンプが壊れて水が噴き出したり、ウインカーが点滅しなくなったり、運転席の鉄板に穴が開いたり、マフラーに穴が開いて爆音になってしまったり、ドアノブが壊れてドアの開閉ができなくなったりと、私の車で最近起こった故障だけでもこれだけあります。そして、新しい部品はありません。脅かすようで申し訳ありませんが、普通の神経と経済力では、かなり大変な思いをします。
維持していくにはそれなりの工夫が必要
維持していくには、それなりの覚悟と工夫が必要です。私は専門のショップにお世話になり、部品を融通させてもらったことが何度もあります。部品はオークションに出品される場合がありますが、オークションはかなり高いです。例えばブレーキマスターシリンダーのアッセンブリーは、通常の車なら一万円も出せば買えますが、旧車のそれは部品があれば4-5万円はすると思います。あればいいのですが、ない場合もあります。そうなるとやはり相談できる人や仲間が必要になります。この辺りは、実際に維持しながら勉強していくしかないと思います。あなたがお考えの旧車が、かなり特殊な部類になってしまうと、この部品調達でかなり苦労することになります。また、私は海外から部品を買うこともよくあります。eBayなどでは日本の旧車の様々な部品が販売されていますが、海外製の場合が多いです。ゆくゆくは旧車のオーナーになりたいと考えているなら、eBayでモノを買える環境を整えておくと、かなり楽になります。
修理は全て高い
私は先日、ウォーターポンプが壊れて行きつけの工場で交換をお願いしましたが、ネジ3本を取り換えるのに、一本2,000円、三本で6,000円の工賃を払いました。ウォーターポンプを取り換える工賃だけで、2万円以上を支払いました。このような工賃は、工場に修理をお願いすると、仕方のない出費となります。新しい車とは違って、ネジやボルトが錆び付いており、回そうと思っても頭だけが取れてしまうというケースが多発します。マフラーの取り換えにしても同じです。整備においてネジ関係のトラブルは付き物ですので、整備費用がかなり割高になることを心得ておきましょう。受けてもらえるだけでもいい方で、車によっては整備を断られる事もあるかもしれませんので、その辺りは購入するお店と打ち合わせをしておいた方がいいでしょう。古い車は、ボディーの痛みも激しくなってきます。私は自分で板金塗装をしますが、ここまではやらなくとも、ある程度板金や塗装の知識は持っていた方が、後々経済的にも楽になります。参考になれば幸いです。