高速道路での故障時に、運転手が絶対に行わなければならない5つの事
いくら整備をしっかりとしていても、車は突然壊れることがあります。極端な話、昨日車検から上がってきた車が、翌日壊れてしまうことだってあるのです。その可能性は極限まで低いかもしれませんが、万が一の時のために、高速道路上での故障時に運転手が行わなければならないことと、考えなければならないことをお伝えします。
まず、考えてほしいこと
考えて欲しいことがあります。高速道路と一般道路との違いを、まず第一に考えて下さい。少し乱暴な言い方になりますが、ご理解いただくために敢えて書きます。「高速道路で車が停まってしまったら、後ろから追突される」ものだと思って下さい。高速道路上には、いろいろな状況の方がいらっしゃいます。レジャーモードの方ばかりではありません。1500キロ走らなければならないトラックの運転手もいます。時間に追われて仕方なく取り締まりギリギリのスピードで走っている人もいます。5分10分の時間を縮めようと、トイレも我慢しながら走っている人もいます。当然、眠気を感じながら走っている人がいる可能性も高いのが高速道路です。そして、高速道路はその文字が示している通り、皆高速で車を走らせています。意識レベルは低下しているものの、皆、何とか車を走らせているのです。ここへ、突然故障車が現れたならどうでしょう。上手く気が付くことができても、100キロで走行している2-3秒の間に、安全な判断と操作ができて、無事に障害物を回避できる可能性は、一般道と比べると天と地の差があります。まずは、高速道路の車線上に停止してしまった場合、このままでは追突されると思って下さい。
ハザードランプを点ける
何はともあれ、ハザードランプを点けて、故障していることを相手に伝えます。何よりもこれがまず第一です。
できれば路肩の線の外へ
壊れてしまったのは仕方ありませんが、できれば車を路肩の白線の外へ移動します。できない場合もあると思いますが、命がかかっていますので、できるだけこの状態にできるように、様々な方法を考えます。往々にして車の故障というのは何か前兆があるものです。少しでも車の様子がおかしいと思ったら、一番左の車線を走るようにします。大型トラックは下に書かれている白線に沿って走っています。自車が線を踏んでいる状態と、完全に白線から路肩へ入っている状態とでは、追突される可能性がかなり違いますので、可能な限り白線の路肩側に入れるようにします。
発炎筒を焚く
処置としてまずは発炎筒を焚きます。発炎筒は助手席の左足元に設置されています。アクセスする時はパニック状態である場合が多いでしょう。発炎筒は運転手から確認しやすいようにとの理由から、助手席足元に設置されています。邪魔だとか、グローブボックスの中に入れたいと思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、発炎筒は万が一の際にあなたの命を守るとても大切な道具ですので、自分の勝手な判断で場所を移動しないようにしましょう。発炎筒はマッチを擦る要領で点火することができます。発炎筒から出るのは火ですから、万が一ガソリンが漏れている現場では使うことができません。まずは後続車に自分の車の存在を知らせるために、発炎筒を焚きます。この発煙筒は5分以上燃え続けますので、その間に次の行動をします。
三角表示板を設置
発炎筒で後続車に故障を知らせると同時に、できれば三角表示板も設置します。三角表示板は車購入時にはついて来ませんので、自分でホームセンターなどで購入しなければなりません。千円程度のものです。あまり知られていませんが、この三角表示板の代わりとして、紫色の回転灯を使うこともできます。特に夜間の場合は、三角表示板があれば、かなり遠くから故障車を認識することができます。紫の回転灯もあるに越したことはありませんが、なかなか積載している人はいないようですね。三角表示板を設置する注意点としては、組み立てるのに少し時間がかかるかもしれませんので、決して道路上で組み立てをするのではなく、ガードレールの外に持ち出して、ガードレールの外で組み立てをした後、車の後ろに設置するようにします。何度も言いますが、高速道路上で車が止まってしまった時には、後ろから車が突っ込んでくる、と思って下さい。
安全な場所へ避難
高速道路上はとても危険ですので、できればガードレールの外など、安全な場所へ避難します。万が一の事を考え、故障車両からできるだけ手前に位置を取る事も考えましょう。車内は安全だと思いがちですが、何度も何度も申し上げている通り、追突される可能性があります。例え雨が降っていようと、雪であろうと、夜であろうと、必ず避難して下さい。
通報する
高速道路上では1kmごとに設置されている「非常電話」、もしくは携帯電話からもつながる「道路緊急ダイヤル(♯9910)」、場合によっては警察へも連絡をします。非常電話からの連絡があると、自動的に後続車に「故障車あり」の表示がされる仕組みになっています。必ず連絡するようにします。
まとめ
高速道路でやむを得ずの停車時に、後ろから後続車に突っ込まれてしまう事故が多発しています。しつこく言いますが、故障時は後続車が突っ込んでくるものと思って下さい。また、運転されている方も、高速道路はいつも安全だという認識があると思いますが、故障車がいたり、動物が飛び出して来たり、落下物があったり、逆走車があったりという、万が一の可能性を、常に念頭に入れながら運転するように心がけて下さい。お互いが心がけることで、少しでも事故を減らすことができればと思っています。