担当車制の会社とそうでない会社 何が違う?どっちがいいのか?【運送会社】
私がかつて所属していた運送会社では、担当車制の会社とそうでない会社がありました。業務内容や取り扱う製品、様々な要因によって各会社できまりができています。私なりに感じているメリットやデメリットなどをご紹介します。
状態が把握できる
車が古くなってくると、いろいろなところに不具合が発生してきます。使い方によって癖がついている場合もあります。トラックは基本的な走行性能のほかに、荷物を扱うための装置も付いていますので、総合的な視点でのメンテナンスが必要になります。気にならないほどの小さな不具合が発生している場合、担当車でなければ修理をしません。運転手からすると「明日は誰が乗るかわからないからいい」という心理が働きます。運転手は常にさっさと仕事を終わらせて家に帰りたいと思っています。できれば修理などはしたくありません。非担当車制だとメンテナンスが悪くなります。担当車制にすると、運転手は自分の車だという意識が働きます。小さな不具合でも、大きくなる前に直さなければという心理が働きますので、こまめにメンテナンスをするようになります。グリスアップなどがまめに行われるようになれば、トラックに優しくなります。マーカーランプの球切れや、配線、アース不良による非点灯なども減ります。トラック君にとってみれば、手入れが行き届く担当車制は、とてもありがたい制度です。
運転手も仕事がしやすい
自分が担当のトラックでいつも仕事ができるメリットは大きいです。車の癖がわかっているので、運転操作、荷扱い作業をスムーズに行うことができます。自分の車だと、この車を任されているという責任感が生じますので、ちょっとした不具合でもすぐに修理しなければという心理になります。洗車もまめにするようになります。自分の荷物を入れておくこともできますし、ダンプカーでは会社から許されている範囲でデコレーションをしている人もいます。荷扱いに関しては、仕様と積んである道具が把握できていることは、スムーズで確実な仕事へと繋がります。
整備に関して
私がかつて勤務していた会社は、数千台を保有している準大手でした。特殊な部門でしたので担当制ではなく、部門にあるトラックを部門に所属している15人で乗り回ししていました。この会社は歴史があり、会社自体がとても几帳面でした。当然なのかもしれませんが、3か月ごとには必ず自社工場で法令点検をしてくれました。トラックにはオートグリスがついているので、運転手はグリスアップといえどもこのグリスアップの操作だけでした。オートグリスの補充もしたことはありません。トラックにグリスガンは積んでいませんでしたし、乗っている運転手もグリスガンによるグリスアップを全く行いませんでした。運航前点検とオイル、冷却水の点検はきちんと行っていました。一方で今ダンプでお世話になっている会社は、定期点検に関しては前の会社とは正反対です。グリスガンを自費で買い、支給されるグリスを使ってグリスアップします。調子が悪い箇所は、その都度自社にある工場に依頼をすると、修理してくれます。
最後は人間関係
担当車制でも、担当者が休みになると、その車に裏の人が乗務するケースがあります。会社相手の仕事なら少ないと思いますが、バスや宅配関係などには多いです。先輩が乗っている新車に裏で乗ったりする場合には、かなり神経を使います。私も先輩の新車に乗った際にちょっと失敗して、フロントマスクを傷つけてしまったことがありますが、これは精神的にもかなり負担となりました。洗車に関しても、いつも洗っていると「あいつは洗車ばかりしている」と言われ、洗わないと「あいつは洗車しない」と言われます。車の癖や装備などの面は何とかなります。でも、対人間の部分がかなりきついです。車の維持や運転手への負担から考えても、私は担当車制の方がいいと思いますが、今は時代も変化してきており、例えば半日で帰ってしまうとか、一日おきの勤務だとか、実家の農家の仕事が忙しい時は抜けるとか、平常勤務ではないケースもあるかと思います。車両の管理と一言でいえども、なかなか奥が深く難しいですね。