トレーラーの運転手は、トイレの大きな方に行きたくなったらどうするのか?
運転手だからといって、トイレに行かないわけではありません。運転手も人の子ですから、食事もしますし、みなさまと同様にトイレにも行きます。実は私にとって、この問題はとても大きく重要な問題でした。私は20代そこそこ、資格ができてすぐに大型二種免許を取りました。バスの運転手になりたかったからに他なりません。でも、すぐに踏み切れなかったのには、理由があったのです。私は小さい頃からお腹が弱く、トイレに関しては小さい頃からあまりよくない経験をしてきました。通勤の満員電車でお腹が痛くなり、途中下車して駅のトイレに駆け込むなどは序の口で、高校生の時には、授業中に手を挙げてトイレに行ったこともあります。これは小学校でも何度かあります。こんな私がバスの運転手になってしまったら、果たしてどうなってしまうのか?と、考えるだけで憂鬱になり、バスの運転手の道を諦めたという経緯があります。今現在もバスの運転手の仕事が近くにあり、やろうと思えば今すぐにできる環境にあるのですが、やはりトイレのことが気になって、未だに職業運転手として、バスには乗ることが出来ていません。そんな私もかつてはタンクローリーのトレーラーに乗っていました。また、今までいろいろな種類の運転職も経験してきましたので、大型トラックの運転手とトイレについてお話したいと思います。
佐川急便のセールスドライバー
私がはじめて職業運転手となったのは、佐川急便のセールスドライバーです。この仕事は体を使う、とても厳しい仕事ですが、一つだけいいことがありました。何だと思いますか?それは、仕事が時間通りにきっちりと行われると言うことでした。朝は早く夜も遅いですが、毎日同じくらいの時間に出勤し、仕事をし、帰ってきました。身体のリズムがとてもよく、更に身体を極限まで使っているので、身体自体もかなり調子は良かったのです。必然的に排便も規則正しくなって行きました。朝起きてすぐには出ませんが、自宅を出て自家用車で通勤、会社に到着してトイレに入ると必ず出るようになり、ちょっと下の話で申し訳ありませんが、毎日りっぱなうんちが、しっかりと出るようになっていました。佐川急便で働いていた頃は辛い思い出が多いですが、今思い出してみると、給与面と健康面は良かったと思っています。
路線便の運転手
佐川急便の延長ですが、この仕事も身体はかなり辛いですが、規則正しいという特徴がありました。シフトは夕方3時過ぎに出勤して夕方の4時前に着車、荷物をローラーから引いて積み込み、箱がいっぱいになったら出発、一カ所に降ろして、翌朝帰ってくる、という仕事でした。東京方面とかの遠距離ではなく、隣接する県へのローカル便担当でしたので、この仕事でも排便は規則正しくなり、それほど困ることはありませんでした。
タンクローリーの運転手
旧日石と旧三菱が合併してできた大手石油元売りのタンクローリーに乗っていました。朝一番の積み込みは4時、朝の最終が7時位で、この間にその日一回目の積み込みをします。一台20分かかるので、同一ラックからは一時間に3台積み込みをするように予定が組まれます。朝一番の積み込みの場合、私は自宅を夜中の1時半に起きていました。食事をして歯を磨いて風呂に入って、そして気になって仕方のない「大きな方」を出すためです。このように朝早いというよりも、夜中起きだと上手くリズムが取れず、身体も反応せず、出ないことの方が多かったです。4時に起きて積み込みをし、出発前に積み場で止まってトイレに行く、高速に乗ってパーキングでトイレに行く、など工夫をして、できるだけ現場では行かないように調整していましたが、やはり身体はトラックから降りてしばらくすると反応する場合が多く、何度か現場のトイレにお世話になりました。これも配送先が事業所などでトイレがあって、朝の時間に使えればの話です。タンクローリーの時はこのように、パーキングエリアをはじめとするトイレが数多くありましたが、なかなか上手くそこで出ない、というジレンマがありました。また、何度もトイレに行っていると必然的に時間も遅くなり、とある配送で灯油を持って行った時には、「いつもはもっと早いのに、今日は遅かったね」などと言われてしまうことが何度かありました。結構これは精神に堪えて、今考えれば私が車を降りるきっかけの一つだったかもしれません。
一度だけ困ったことがあった
石油元請け会社のマークが入っているトレーラーに乗っていて、一度だけ困った時がありました。タンクローリーの場合、配送先がスタンドの場合には必ずトイレがあり、その点は大変助かりました。事業所でも何でも、人がいる所には必ずトイレはあります。突然の腹痛などが起こっても、大抵は何とかなりました。困った事というのは、とある事業所でのことです。そこは今まで何回も配送をしていて、事務所に人がおり、中にトイレがあることがわかっていました。その事業所に向かっている時に、ちょうど腹が痛くなり、トイレが突然マックス限界を迎えてしまいました。悪いことにコンビニも近くにはありません。これは事務所でトイレを借りるしかないと配送先に到着したら、どうなっていたと思いますか?「運転手さんお疲れ様です。カギはアースボックスの中にありますので、降ろしておいて下さい。ハンコはこれを使って下さい。控えはポストに入れて下さい。よろしくお願いいたします。」との張り紙があり、事務所には誰もいなかったのです。そこは海の近くにあり、周囲には何もありません。我慢限界ギリギリで滑り込んだのですが、もうダメでした。周りを見ると小高い丘のような所があったので、そこで用を足しました。タンクローリーに乗っていて困ったのは、これ一度きりです。我慢の限界は何度もありましたが、何とかトイレを借りて凌ぐことができていました。今はコンビニも増え、24時間営業が当然になっています。ローカルであれば、どこなら停めることができるかも大抵わかっていますので、タンクローリーの場合は朝だけは少し神経質になっていましたが、実際にはそれほど酷い状況にはなりませんでした。
知人先輩の話
トイレの問題は、停められるかどうかと、その人の体質にかかっていると思います。先輩は重量物を運ぶトレーラーに乗っていた時のことを話してくれました。コンビニも発達していない、今から30年以上前のお話です。やはり大きなトレーラーは停める所が限られています。そして、そこにトイレがあるとは限りません。重量物運搬の仕事でもいろいろとあり、場合によっては日本縦断に近いような航海になる事もしばしば。夜走ったり、突然睡眠を取らねばならなかったりと、航海中はキャビンで生活するようになります。このような生活ですから、突然トイレに行きたくなる事も多く、その先輩は何度か車の影で用を足したことがあるそうです。人によっては専用の袋を持っていて、上手に処分したりしていたそうです。今とは違って、コンビニがそれほど発達していない時代だったので、とても大変だったとその先輩は話をしてくれました。
結論
乗るトレーラーや仕事内容によって、また、大きいほうを我慢できるかできないか、個人の体質によって、困り度数は違ってくると思います。トレーラーが大きかったり、長かったりすれば必然的に停める箇所が決まってきますので、そこ以外では用を足すことができなくなります。あらかじめ体調を整えておくとか、停める場所を事前に段取りしておくとか、こちら側である程度は対策できますが、運転手サイドでは腹が突然痛くならないようにすることも場合によっては必要かもしれません。私はそこまで大きなトレーラーには乗りませんが、もし乗る機会があれば、食事や飲み物、睡眠などに十分に配慮します。ちょっと神経質かもしれませんが、私は体質的に腹が弱いので、こうして安心感を自分で持つしか方法がありません。こんな風にしなくても、何事もなく毎日大きなトレーラーに乗っている先輩達は大勢いらっしゃいます。あなたの体質や、乗るトレーラーによって、考えて見ればいいのかなと思います。