ウォーターポンプの修理を車検時にサボるとこうなります。工賃相場は高いのか?
車検制度は日本独自のもの
車検整備という制度は日本独自のものです。私は自動車ディーラーに勤務していた経験や、トラックを運転するドライバーとしての経験から、この車検制度についていろいろと思うところがあります。私自身はここ数年、毎回自分で車を陸運局に持ち込み、ユーザー車検をしています。私の趣味の古い車は毎回いろいろとありますが、乗用車は何事もなく車検に合格します。この現実だけを見るなら、「車検制度は自動車業界のエゴだ」と言いたくもなりますが、実はこの制度はとてもよくできていて、私たちを不慮の故障、路上での突然の故障から守ってくれているのです。車には沢山の部品があります。新車の頃から数年の間であれば故障もしませんが、機械は経年とともに定期的なメンテナンスが必要必須になってきます。私ももちろんそうですが、自分で出来る範囲の整備というものは限られています。タイヤ、オイル、バッテリー、各種液量のチェック、灯火類の点灯点滅チェック、ファンベルトの張り具合点検、などなど、実は自動車のマニュアルを見ると、ドライバーの責任において運行前に点検しなければならないことはそれなりにあります。一般のユーザーならそれほど神経質にならなくてもいいのですが、運転を生業としているプロドライバーであれば、運行前の点検は法律で義務付けられています。
運行前に、車を点検したことがありますか?
一般のユーザーが毎回乗車時に車を点検するように、と、車の取扱説明書には書かれていますが、実際に行っている人はどれくらいいらっしゃるでしょうか?あなたは実際問題、普通に車に乗る際に、運行前の点検をしているでしょうか?一応プロドライバーの肩書を持つ私でさえも、業務用のトラックに乗る前ならきちんと点検をしますが、乗用車では遠出で高速道路を乗る際以外は、殆ど運行前の点検はしません。皆様もおそらく同じだと思います。それでは、どうして皆様は機械で壊れる可能性を完全には否定できない自動車という乗り物に、安全に乗ることができているのでしょうか?その答えが車検制度にあるのです。
車検は故障を予防している
車の使い方によっても違ってきますので、一概には言い切れませんが、一回目、二回目位までの車検なら、それほどの整備は必要ないかもしれません。今の時代の車は性能もよくなっており、10万キロ程度は普通に使えるようになってきています。しかし、やはり車は機械です。ある一定のレベルを超えると、あっちこっちに故障の可能性が出現します。その一つにウォーターポンプがあります。ウォーターポンプにはエンジンの回転をゴムのベルトで受け、冷却水をエンジンとラジエターのラインに送る役割があります。このウォーターポンプは車の構造上とても重要な部品で、壊れてしまうと重大な故障になります。メンテナンスをせずに放置しておくと、突然壊れることもあります。場合によっては路上で突然動かなくなり立往生、レッカー車で移動してもらう、という事態になるケースもあります。仮にこのようなケースになってしまった場合、あなたは落ち着いて対応することができるでしょうか?このような「路上故障」という重大な故障を予防するのに、日本の車検制度は大きな役割を果たしています。具体的にはどのようにしてこの重大な故障を予防することができているのかを見てみましょう。
車検では「次回まで持つか」の視点からチェックされています
この部品、「ウォーターポンプ」には、常にベルトでの負荷がかかっています。そして部品の中ではエンジンが回転するのに合わせて、精密部品が高速で回転しています。ウォーターポンプは永遠に動き続けるものではなく、ある程度の時期が来るとガタなどの症状が現れ、不具合を生じてしまいます。具体的には、エンジンの回転とともに「きゅるきゅる音」を発生したり、冷却水が少しずつ漏れてくるなどの症状が出現します。車検時には、走行距離と部品の状態を見て、「次回の車検まで持つか?」という視点の元に提案と整備が行われます。次回の車検まで持たないと判断されれば、ウォーターポンプを取り換える作業が行われます。また、車修理の視点では、ウォーターポンプと一緒に、タイミングベルト、通常「タイベル」と呼ばれる部品も一緒に交換することが多くあります。タイベルは10万キロを目安に交換が奨励されている部品で、エンジンの中、脇にあるベルトです。ウォーターポンプの取り換えと作業が被るので、一緒に行われることが多くあります。ウォーターポンプ交換、タイミングベルト交換に関わる費用は車によって違いますが、軽自動車でおおむね3-5万円から、特殊な構造を持ったスバルレガシィーなどでは10万以上する車種もあります。タイミングベルトは10万キロでの取り換えが奨励されていますが、実際には奨励されている以上持つのだと思います。ですが、ファンベルトのように目視で点検ができないことや、使い方によって劣化が違って来たりもするので、やはり奨励されている通りに交換するのがいいと思います。ウォーターポンプが壊れる、タイミングベルトが切れる、という故障が発生すると、殆どのケースでその場を動けなくなる、立往生するという事になります。場合によっては、周囲に多大な迷惑をかけることになる可能性もあります。費用はかかってしまいますが、やはり10万キロのメンテナンスとして、ウォーターポンプとタイミングベルト、場合によってはその他の関連する部品を交換することは必要になってくるのだと思います。
ディーラーは高いのか?
これらの作業は、信頼のおけるお店で行うことをおすすめします。具体的には、ディーラーの方がいいと思います。ディーラーはあなたの車を専門に扱っていますし、沢山の同車種を扱っていることから、様々な情報を持っています。費用的には若干高くなるかもしれませんが、とんでもなく高くなるものでもありません。「とにかく一円でも安くしたい」という方であれば、こちらでお店を見つけていただき、車を持ち込んで見積もりをしてみて下さい。大抵の場合ではディーラーより安くなると同時に、車検を同時に行えばポイントももらえますので、お得感があります。
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